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ICT-coordinate for Kyushu Island Community,Ltd

コラムi-KICColumn

No.1「この15年を振り返ってみて(Part1)」

何が自分をここまで駆り立ててしまったのか?

第一回のコラムに何のテーマを取り上げようかと思ったのですが、まずは何よりもこれまでを振り返ってみて、ということからお話ししたいと思います。といっても、とても一度で紹介できるようなものではないので、今後とも本テーマに関しては、適宜(ネタに困ったとき(笑))書かせていただきたいと思っています。まずは、Part1として、全体的なお話から。

私がこの「情報通信」という分野に関わってから、はや15年という月日が流れてしまいました。15年前という頃は、地域社会における通信インフラ環境はまだまだの時代でしたが、インターネットという仕組み自体が一定の社会的ポジションを得た時期ではなかったかと思われます。その後は、皆様ご承知の通り、怒涛の勢いでインターネットは様々な社会経済活動シーンに浸透していきました。まぁカッコよく言えば、私の過去15年とは、そういったインターネットの具体的な社会進出という事象とともに歩んできたもの、といえるのかもしれません。そういった中で、私自身は、気が付いたら公務員を辞め、気が付いたらこうしてi−KICを立ち上げることになってました(笑)。インターネットは社会経済ということだけでなく、「私」という存在そのものの中にも、ずっしりと深く浸透してしまった、ということですね。

さて、それでは何故、私の中にこのインターネットというものが深く浸透してしまったんでしょう。これもとても一度で語ることは無理なのですが、ただ、私自身が魅了された大きな要因として確実に言えることは、インターネットを通じ「人々が有する知識・ポテンシャルが融合することから産まれる新たな価値観に対する感動」といったことではないかと思っています。このような価値観の創出は、もちろんインターネットが存在しない時代でも同様に実現されていたかと思われますが、その際、私レベルのような一個人がそれを成し得るには、大変多くの労力が必要であったろうと思います。いや、ひょっとすると成し得ないことも多かったかもしれません。こういった取り組みは、従来、一定の有識者、あるいはそれなりの組織力を有した機関等でしか現実的には成し得なかったものではないでしょうか。つまりは、そこに一個人の知識・ポテンシャルが介在する、というシーンはなかなか有り得なかったことかと。ところがインターネットという存在は、そういった一個人の知識・ポテンシャル等を一気に表舞台で活躍させる環境を提供しました。これまで埋もれていたそういった一個人の能力が、様々なビックブランドの方々のそれとある意味並列的に存在できるようになりました。誰もが知識の融合に基づく新たな価値観創出にチャレンジできる環境を手にしたのです。この15年間(今もそうですが)様々なICT関係のベンチャー企業が創出されてきましたが、このことはまさにこういった背景に由来するものだと思っています。そして、実は、私自身もその中の一人になったのではないかと。

    

これまでの15年からこれからの××年に向けて

さて、これまでの15年間に起きた楽しい(つらい(笑))出来事の詳細は、また後日のコラムでも時々紹介させていただくとして、今回のコラムの締めくくりとして、これからの××年に向けて、ということを少しお話したいと思います。

皆様ご承知の通り、これまでの間、インターネット上では、数多くのサービス、そして技術が誕生し、そして消え去っていきました。(もちろん、消え去らないサービス、技術も多く存在していますが。)そういった移り変わりの激しさ自体が、未だ発展途上であるインターネットの宿命、ということなのかもしれませんし、私自身も、このことについて、あまりマイナスの考え方を持ってはいません。ただ、こういった移り変わりの激しい状況下でも普遍的な事柄はいくつかあります。その中のひとつですが、(あまりにも一般論的な考えで申し訳ないですが)「良いサービスとは、しっかりとした技術の裏付けのもとに成り立つ」、この点を今一度じっくり見つめ直すことが大事なのではないか、と私は現在考えているところです。もちろん、今の世の中のサービスが技術の裏付けなしに成立しているとは考えていませんし、まさにしっかりとした技術の裏付けに基づくサービスの方が大多数ともいえるでしょう。

しかしながら、未だ発展途上であるインターネットにおいては、新技術に向けた研究開発は今後とも止まることなく進んでいくことと思われます。その際、どの程度の割合で「しっかりとした技術」が産まれ、サービスの基盤として活用されていくのでしょうか。ここで、非常にざっくりですが、しっかりした、という定義を私としては、次のようなものと考えています。
・どういった社会課題の解決に結びつくものであるのかが明確
・社会経済環境の変化にどの程度対応できる内容であるのかが明確
専門の研究者でもない私がこのような偉そうなことを述べること自体、大変恐縮ですし、また現実的にはこのような観点は十分クリアされたうえで進められている取り組みが大半なのかもれません。ただ、私自身の目から見て、まだまだそうでないように見受けられる感覚があるのも事実ですし、また、今や1ユーザーが自由にインターネット上のリソースを活用して、様々なサービスを創出できる時代になってきたことも加え、まさにしっかりとした技術がこれまで以上に求められてきているのではないか、と考える次第です。

これまでの15年間、私なりに色々な知識・人脈を得ることができました。そういった資産を活かし、地域における新たな情報化推進活動にも色々と取り組むことが出来ました。今後とも更なる知識・人脈の拡張を含め、そのような活動を継続させていきたいと思っておりますが、併せてそういった地域の情報化を支えるこれからの新たな技術開発、といった側面に対して、これまで以上により深く関わっていきたいと考えています。私自身の能力でどの程度のことができるのかはわかりませんが、ここ九州において「しっかりとした技術開発」に向けた取り組みをひとつでも多く誕生していくためのサポートを行うこと、それが、これから××年に向けた大きなテーマであり、それはi−KICの将来の組織像でもあると、思っているところです。

  

株式会社 九州情報通信連携機構
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